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シタデルカラーが投げかける模型塗装の可能性 [模型グッズ]

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 前回の記事ではシタデルカラーが買いやすくなり、それがどんなものかを軽くご紹介いたしましたが、もう少しこれについては硬く書いてみたくエントリーさせていただきます。

 模型作りはとても楽しい時間ですが、塗装するとなると結構な労力と覚悟が必要です。ここで言う労力とは、もちろん塗装作業そのものも意味しますが、塗装を始めるための準備や、終わった後の片付けなど、作業以外にも割と苦労させられます。
 用具の掃除や換気など、特にエアブラシを使う際には結構な時間を費やすことになるのではないでしょうか。従って、塗装全般としてそれなりの時間や手間を覚悟して「いよぉーし、今日は塗るぞ」とかなり気合を入れる必要があるのが実態ではないかと思います。

g30塗装 (2).jpg

DSC_0172.jpg
 

つまり模型作りのプロセスにおいて塗装は組み立てと一線を画す、完成までの道のりにおいて大きな区切りとなっている、ということです。

 作業と環境の効率観点から、組み立てが終了した後に塗装という作業に移行するのは自然な流れのようで、多くの人はこれを当たり前として受け入れているようです。
 この前提を受け入れているからこそ、例えばガンプラの関節部分など、組立と塗装が入り乱れそうな工程が発生している場合に「めんどくさい」「不親切」という評価が発生したり、組立と塗装を「分けるために」後ハメ加工という「わざわざの追加工作」が推奨されたりもしています。
 モデラーとは不思議な人種で、この後ハメ加工もすごい楽しそうにするんですよね。工夫していることが満足感に繋がるという非常にクリエイティブな趣味だからこそなのでしょう。

 それらを踏まえても我々は自然に「組立工作」と「塗装作業」が明確に別れるように模型作りを行っているのではないでしょうか。

 工程のなかには部分的に塗装した後に組み立ている箇所だってあるじゃん、という方もいるかと思いますが、
例えば部分的な塗装をする際、エアブラシなどを使うと結構な作業環境の切り替えや、塗っても乾燥時間に結構な時間を費やし、一度行った塗装が乾くまで他の作業や休憩、何なら他のキットに手をつけるといった、待ち時間が発生します。

chara44.jpg

 待ち時間、という単語を出しましたが他の例で代表的なのが接着。昔は模型に限らず接着剤は乾燥・固定されるまでに時間がかかりました。そんな中、秒速かつ強力に接着できる瞬間接着剤が登場し、その登場自体は模型どころか一般的にもに大きなインパクトを与えました。
 模型作りにおいて瞬間接着剤が与えた貢献度は非常に高く、今まではセメントの乾燥に一晩とかかかっていたのを数分でヤスリがけできるようにした、というのは革命的で、これも模型作りの組立てと接着、乾燥がシームレスになった大きな事例といえるでしょう。
 みんな今やそんな変革を当たり前のように受け入れ、もう常識としていますね。そういった観点から、

 組立と塗装がシームレスに進む模型作りは出来ないものか?

 塗った塗料が一瞬で乾き、塗装自体も場所や時間を取らずにニッパーで部品を切り取るくらいの手間しかとらない、こうなったらもっと模型作りはスムースに進行してより楽しくなるのではないでしょうか。

 しかしながら物理的にそうはいかないということで、だからこそ例えばガンプラの進化って、

・組立と塗装が明確に分けられるように部品構成を進化させた
・塗装そのものをしなくていいように部品構成を進化させた

点に非常に注力されていたように思われます。
 それはそれで凄いことで、その証拠に最近のガンプラは塗装しなくても十分な塗分けが実現されています。
 そこまでしてくれてありがたいのですが、一方では改めて、

 組立てと塗装がシームレスに進む模型作りは出来ないものか??

ということなのですよ。

 そのためには、
・手軽に塗れる
・すぐ乾く
・準備や後片付けが簡単

というハードルをクリアせねばなりません。
手軽に塗れるためには、

・エアブラシを使わなくとも綺麗に筆塗りできる塗料が欲しい
・すぐ乾く塗料が欲しい
・そして準備や後片付けが簡単、ぱっと塗った後換気や筆洗いのシンナー臭などがない塗料が欲しい

となるわけです。
 クレオスさんやタミヤさんのラッカー系は臭いがきついし、用具の手入れにもシンナーが必要。
 同じくエナメル系塗料は臭いはラッカーほどきつくないけど、シンナーはいるし、何しろ乾くまで時間がかかる。
 そしてまた水性カラーは用具の手入れは水でオッケーだけど、臭いはあるし若干乾燥時間もかかる。
んでもってクレオスさんが投入したアクリジョンは、臭いはほとんどなくて、水でも洗えるし、乾くのも早いけど、ああ残念、塗ることそのものに結構なコツがいる…

 それらを組み合わせるテクニックも醍醐味なのですが。

IMG_0587.jpg

 既存の模型用塗料は悲しいかな、それぞれのメリットと同時に持っているデメリットのために、

・気軽に早く組立てと塗装がシームレスに進むような性能を持っていない
・気軽に早く組立てと塗装がシームレスに進むようなフローはなくて当たり前のものとする

という状況を発生させていたのです。

 塗ったり組み立てたりもっと気軽に模型作りを楽しめないのか?
 準備や後片付けを簡単にして模型作りそのものに専念できないか??

 そんな根本的な楽しみ方を実現するのに有効な塗料がシタデルカラーなんです。ぱっと塗って、ぱっと片付けられる、塗りながら組み立てるという新しい楽しみ方が出来る。
 現状の組立てと塗装が分かれたスタイルを否定するつもりはありません。それとは別にこういう模型作りのスタイルがあってもいいと思うのです。
 昨今簡単仕上げの名の基に部分塗装、成型色を活かした模型の楽しみ方が提案されてもいますが、今回述べたようなアプローチもあっても良いのではと思っています。
 ガンプラであればこんな条件下ですとパフォーマンスを発揮できるのではと思います。

・成型色をベースにする
・後に大面積を塗装しなくてはならなくなる合せ目処理はしない
・部分塗装レベルを行う
・特に小さい部品や細かいところのアクセントに凝る

上記のコンセプトでちょっとした時間で気軽に手を動かして完成品をバンバン量産する、という楽しみ方が可能になるでしょう。


 とはいえシタデルカラーも完璧では当然ありません。
値段は高めだし、筆ムラは大面積にはどうしても発生してしまいます。エアブラシの美しさはもう絶対的でしょう。従って全塗装を志した場合にはシタデルカラーの出番は少なくなります。

IMG_1551.jpg

 またシタデルカラーを絶賛しすぎじゃあないか、という指摘もあると思います。
 今回は買いやすくなったことで話題としましたが、他にも買いやすさは別としてボークスさんで扱っているファレホ、手芸店などで買えるデルタセラムコートやアメリカーナなど、模型店以外でも入手できる様々なホビー用塗料があります。

もっともっと情報を得たり試したりすることが出来る幸せな環境があるので、視野を広げなくちゃなーとも思うわけです。


 以上、今回ご紹介したシタデルカラーが持っている特性は模型作りの流れにも影響を与えることが出来る可能性を秘めていることで、ラッカー系偏重(そもそもこのラッカーという呼称もおかしい)のこの日本の模型塗装シーンに一石を投じるだけのポテンシャルを持っていると私は思うのです。

長々と書いてしまいましたが、なにより自分がシタデルカラーのおかげでガンプラを1ヶ月の間に3体も完成できたのです。一方でバンダイのキットの性能のすばらしさがあり、特に今回のオリジンシリーズは秀逸な組み易さを持っていることもあるのですが、短期間に完成の喜びが連発するのはテンション上がります。 

プロトタイプグフ.jpg

ドム.jpg

ヴァッフ.jpg


 前回の記事でも書きましたが、ヨドバシカメラで扱いが開始されたことが大きな転機になると思っています。
しかし日本で歴史ある模型業界・流通そして雑誌媒体がこれをどう捉えて、我々庶民への認識が広がるか?というのは別問題。
 いずれまたこの点からも語ってみたいと思っています。




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コメント 8

ぽ村

つわーす

月に三つってすげー
そんなに威力ありますのんシタデルカラー!?

んんんん・・・トップコートとの相性が・・・と聞いて、デカールペタペタ貼る派のヲレはちょと二の足をふむブツなんですが、エアブラシが使えない環境になりつつあるので、試しに何かのキットをイケニエに塗ってみようかな・・・何がいいかなぁ・・・

キット選定で止まってしまうのがヲレの悪いところ;
by ぽ村 (2016-12-27 02:09) 

しょういちろう

>ぽ村さん
ずうゎーす!(オーラバトラー)
シタデル、やはり塗装面積が多いと考えなくてはなりませんが、関節や上記写真の胸部センサーなど、ワンポイントを沢山手軽に塗れるというのが快感です。
是非、パーツ自体の成型色がしっかりしていて、合せ目が目立たないキットであれば試す価値が十分あるのでやってみてください!
by しょういちろう (2016-12-27 17:48) 

Ulitzen

どうもこんにちは。

いやあひと月3個とは恐れいりました。シタデルカラーの威力凄いですね。
1/144サイズなら十分いけるかもしれませんね。みた感じ発色もよさそうだし。
by Ulitzen (2016-12-30 17:40) 

しょういちろう

>
Ulitzenさん
どーもー!そうなんです。なんかできちゃいました。更にはアップしていませんが昨日ブグもできましたぜ。ぜひピンポイント塗装の際に試してみていただければと思います!特に白の発色はおすすめです。
by しょういちろう (2016-12-31 02:07) 

カップ酒

ガンプラを主にパチ組と部分塗装で楽しんでいます。
環境的にMr.カラーが使えないため、よりよい塗料を求めておりました。
シタデルカラー良さそうですね。
ヨドバシで幾つか購入して試してみようと思います。
by カップ酒 (2017-02-18 11:47) 

しょういちろう

>カップ酒さん
はじめましてコメントありがとうございます!
もし記事をご覧いただいて試すお気持ちになっていただけたのであれば何よりです!
ガンプラであればセンサー部分や、関節、武器の一部分など、まずはアクセントになりそうなところからやってみていただければ、一手間加えた感がでて楽しみが実感できると思います!
by しょういちろう (2017-02-20 13:48) 

ぱんケーキ

シタデルカラー、一部の趣味人、メタルフィギュアを作っていく西洋では子供向けで無害という難題と筆塗りが当たり前という難題を克服している脅威の塗料で、なにより
日本人の感覚では再現できなかった本格的なヨーロッパの色を再現できるというところがいちばんすごく良いところだと思います。
シタデルカラーで塗られた作例のウォーマシンはエアブラシで塗られる日本のガンプラとは違って、まるで血が通ったかのよな鉄と肉の感じと、ダークなファンタジー世界向けの暗い色使い、そしてなにより公式のカラーレシピにより、三段階で厚塗りすることを前提とした解説もおせっかいみたいに正確に書いていてすごく良い本が出ています。
ただ、シタデルカラーにも欠点があって、塗料が日本の高温多湿の気候にはすこし向かず何年も一度蓋を開けてしまうと中身が固まってしまうのが早いと思います。
固まり始めると塗料のムラが激しくなるという欠点もありますよー。
ウォーハンマーの作例は絵画のようですよねー
ガンプラも西洋の人がシタデルカラーで塗ったら・・・絶対に日本負けると僕は思います。
たぶん、パッケージの箱の絵のように仕上がるんじゃないかなと。

by ぱんケーキ (2017-07-08 00:54) 

しょういちろう

>ぱんケーキさん
はじめまして&コメントありがとうございます!
ぱんケーキさんとてもお詳しくて参考になりました。
段階によって色に深みを出すという独特のコンセプトは確かにすばらしいですね。最近模型誌でも取り上げられるようになってますます普及しそうです。

高温多湿日本の注意点は知りませんでした。どんどん塗って消費せねばなりませんね。

西洋のプロが塗ったガンダム作例も見てみたいですね。

by しょういちろう (2017-07-12 11:49) 

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